先行研究の整理

研究をするためには先行研究を大量に読まなければなりません。
しかし、研究は非常に長い期間にわたっていたり、同時並行でいくつもの研究を行ったりするため、読んだ内容を整理しておかないともう一度読みなおさなければならないことが起こります。

そもそも、研究のフェーズが異なると論文の読み方も異なります。まだ始めてもいない研究であれば、私の場合は(テンションの問題で)精読することが困難です。

しかし、何度も大量に読み返す時間も体力もありません。

そこで私はエクセルを使って整理・保存することにしています。
その時のラベルは以下の内容です。

・記入日
・精読
・対象(地域)
・関心(仮説)
・政策的示唆
・Theoretical framework
・Source of variation(因果識別のためのばらつき)
・識別戦略
・識別のときの仮定
・頑健性の確認方法
・Data
・Dataの年代
・Sample size
・Outcomes
・タイトル
・概要
・キーワード(今行っている研究に関連しそうなもの)

 

これ以外に、最近記録したほうが良いと思っているのが、

・論文の文脈における貢献(なぜこの研究が評価されたのか)

・論文を読んでいて初めて知ったこと・思いついたことなどのメモ

です。 

 

先行研究を整理する手順

一つの研究を行うために、タイトルと雑誌名だけ見て、関連する・読んだほうがよいかも?と思う論文を少なくとも150~200篇くらい集めます。

次に、各ラベルを埋める程度の読み方でざっと読みます。

このときに精読すべきかどうか、引用する可能性があるか、自分がすすめている他の研究で引用するか、学生の研究との関連はあるか、全然関係なかったか、といった印もつけます。学生の研究と関連しそうだなとおもったらすぐさま情報を共有します。

(私はまだうまくできていないのですが、)

たまに見返して、引用する論文だけの表を再構築するとより良いと思います。

 

ここまでは、精読する前の整理です。
精読した後の整理方法については、まだスキル化できていません。

 

研究室での先行研究情報の蓄積

今年度から始めるものなのですが、上記のエクセルを研究室内で共有し、それぞれの学生にも論文情報の蓄積を行ってもらおうと考えています。

このとき、エクセルのラベルには新たに
・記入者
を追加します。(あえて分野をいれません。)

これは学生からの希望があったために研究室内で共有することにしたものです。確かに、事前情報があればざっと目を通す際の精度も上がるでしょうし、文献を探しやすくなる気もします。

 

 

コロナ禍で、先輩後輩間の情報共有がしにくくなっていますから、クラウドツールを使ってそこらへんの補完できたらと考えています。