〔研究タスク〕3.先行研究の調査

研究のタスク・サブタスクにおける先行研究の調査の各項目について詳述していきます。

 

3.先行研究の調査:

・先行研究調査の計画
・先行研究調査の実施
・関連文献の読解と要約
・先行研究の知見を用いた研究デザインの改善

 

3.先行研究の調査:

先行研究調査の計画:

 調査する主題と関連するキーワードのリストアップ: 主題に関連するキーワードを洗い出し、これらのキーワードを組み合わせて最も関連性の高い文献を見つけるための基準を作ります。
 使用するデータベースの選定: 英語論文であればWeb of Scienceを使いましょう。それ以外の時は、研究の主題や領域によって最適なデータベースを選択します。
 検索範囲(年代、ジャーナルなど)の設定: 主題の重要性や研究の時期に応じて、検索する文献の年代範囲を設定します。ジャーナルの指定も必要であれば行います。英語の論文を探す場合は、評価の高い学術誌に限定しましょう。それでも100篇くらいは見つかるはずです。
 

先行研究調査の実施:

 データベースでの検索: 事前に設計した検索クエリを使ってデータベースでの検索を実施します。
 関連度の高そうな文献の抽出: 検索結果から、研究主題に関連度の高そうな文献を抽出します。
 抽出した文献の大まかな内容確認: 抽出した文献のアブストラクトや序論、結論部分を読み、内容が自分の研究主題に適しているかを確認します。
 関連論文を網羅的にチェック: Web of Scienceを使うと、関連する論文(関連の強い研究が引用している論文、その論文を引用している論文)を簡単に見つけられます。
 必要に応じて検索クエリの調整と再検索: 検索結果が期待通りでなければ、検索クエリを調整し、再度検索を行います。

 

関連文献の読解と要約:

 文献全体の読解: 選択した文献を詳細に読み、その内容を深く理解します。文献の読解は論文の進捗によって理解度が異なります。何度も読むことになるであろう論文を印刷して手元に置いておきます。
 主な研究結果、手法、考察等の要約作成: 文献の主要な点(例えば、研究の目的、方法、結果、議論など)を要約します。専用のエクセルを作ると複数の論文を進めた時に管理をしやすくなります。
 独自の見解や感想のメモ: 文献を読んで得た独自の見解や感想、さらに追求したい問い等をメモします。

 

先行研究の知見を用いた研究デザインの改善:

 先行研究の結果を用いて自身の研究デザインや仮説の検討: 先行研究の結果を用いて、自分の研究デザインを改善したり、研究仮説を検討したりします。
 先行研究の手法を参考に自身の分析方法の見直し: 先行研究の分析手法を参考に、自分の分析方法を改善するかどうかを考えます。
 先行研究の議論から新たな視点や問いの発見: 先行研究の議論を通じて、新たな視点や問いを見つけ、自分の研究に組み込むか検討します。論文の位置づけをより高いものにするために重要な手続きです。