〔研究タスク〕5.因果関係の概観

研究のタスク・サブタスクにおける因果関係の概観の各項目について詳述していきます。

 

5.因果関係の概観:

・推定前の散布図などのグラフ作成
・グラフから得られる洞察を用いた識別戦略の見直し

 

5.因果関係の概観:

推定前の散布図などの作成:

 変数間の関係を視覚的に確認するための散布図作成: 使用するデータセットを選び、それぞれの変数の相関関係を視覚的に理解するために散布図を作成します。これは、それぞれの変数が互いにどのように関係しているかを把握するのに役立ちます。ここで一番重要な散布図は、主たる推定モデルにおけるアウトカムと原因となる変数との散布図です。因果関係がありそうだ、と誰もが思えるグラフが必須です。
 散布図作成のためのソフトウェアやツールの使用: ソフトウェアを使用して散布図を作成します。私はSTATAを使用します。
 作成した散布図の解釈と分析: 作成した散布図を解釈し、変数間の関係、データの分布、異常値などを特定します。変数間の関係を解釈するさいには暗黙のうちに理論的な予測に基づくことになります。ですから、初めから因果関係を調べるための散布図を描きましょう。ここでの解釈は、後の分析ステップで使用します。

 

グラフから得られる洞察を用いた識別戦略の見直し:

 グラフを用いた因果効果の観察と解釈: グラフを詳しく見て、因果関係を観察し、それを解釈します。この解釈は、因果関係の理解と、どのようにそれを統計的にテストするかについての戦略に影響します。
 グラフから得られた情報に基づく因果関係の仮説検証: グラフから得られた情報を使用して、因果関係の仮説を検証します。これは、統計的モデリング、仮説検定、信頼区間の計算などを含むことがあります。
 分析モデルの選択や改善につながる新たな視点の発見: グラフから得られた情報を使用して、分析モデルを選択または改善します。これは、新たな変数の追加、相互作用項の検討、変換の導入などを含むことがあります。
 グラフに基づく結果のドキュメンテーションと共有: グラフとその解釈をドキュメンテーションし、関係者と共有します。これにより、全体の研究プロセスが透明性を保ち、他の人が結果を理解しやすくなります。